レコードプレーヤーを AUX につないで音が小さいのは、レコードの信号を普通の音量に整える「フォノイコライザー」を通していないからです。
プレーヤー側のスイッチで直ることもあるので、買う前に先に確かめましょう。
結論|まず PHONO/LINE スイッチを確認。内蔵が無ければフォノイコライザーを1台はさむ
先に確かめたいのは、プレーヤーの背面にある PHONO/LINE 切換スイッチです。ここが LINE になっていれば、買い足しなしで直る可能性があります。
スイッチが無いプレーヤーなら、フォノイコライザーを買います。選び方は、針(カートリッジ)の型で決まります。
| 条件 | 選ぶ製品 | 対応カートリッジ | 電源 |
|---|---|---|---|
| MM 型・VM 型(入門機の多く) | AT-PEQ3 | MM/VM のみ | AC アダプター付属 |
| MC 型、または将来 MC 型に替えたい | AT-PEQ30 | MM/VM/MC を切替 | AC アダプター付属 |
- カートリッジの型が分からないとき:プレーヤーやカートリッジの取扱説明書に「MM」「MC」の表記があります。
- AT-PEQ3 は MC 型に使えません:公式の取扱説明書に、MC カートリッジのプレーヤーには使えないと書かれています。
「型が違って音が出ない」はもったいないので、ここは先に見ておいてくださいね!
なぜそうなるのか
レコードの針が拾う信号は、とても小さく、低音を弱めて刻まれています。そのままアンプのライン入力(AUX)に入れると、音が小さく、低音が痩せた音になります。
- 間に必要なもの:小さな信号を増幅し、刻まれた分の低音を元に戻す機器が、フォノイコライザー(フォノアンプ)です。
- PHONO 入力のあるアンプ:アンプ側に PHONO 入力があれば、その中にフォノイコライザーが入っています。
- AUX しか無い機器:アクティブスピーカーやミニコンポの AUX には、フォノイコライザーがありません。
オーディオテクニカの取扱説明書も、AT-PEQ30 を「PHONO 入力端子を持たない機器(アンプ、アクティブスピーカーなど)でレコードを聴くときに使う」製品と案内しています。
解決する手順
- プレーヤーの背面か底面に、PHONO/LINE 切換スイッチがあるか探します。
- あれば、AUX(LINE IN)につなぐので LINE にします。
- 音が出たら、そのまま使えます。買い足しは要りません。
- スイッチが無い、または LINE にしても小さいときは、フォノイコライザーを買います。
- プレーヤーの出力ケーブルをフォノイコライザーの入力に、フォノイコライザーの出力をスピーカーの AUX につなぎます。
スイッチの位置の例として、オーディオテクニカ AT-LP60X の取扱説明書を引きます。
PHONO 入力のあるアンプなら PHONO、アンプの AUX 端子などに接続するなら LINE に設定する、という案内です。
同じ説明書に、音が小さいときは、PHONO のまま AUX/LINE 入力につないでいないかを確認すると書かれています。
逆に、LINE のまま PHONO 入力につなぐと、音が大きすぎたり歪んだりします。
つなぐ前の注意点です。
- 接続前に:機器の電源を OFF にして、スピーカー側の音量を最小にします。
- PHONO 端子には入れない:フォノイコライザーの出力は、AUX・LINE IN につなぎます。両製品の取扱説明書に「PHONO 端子には接続しないでください」とあります。
- アース線(GND):プレーヤーにアース線があれば、フォノイコライザーの GND 端子につなぎます。
プレーヤー側の設定とつなぎ先は、セットで合わせます。ここ、地味に大事なんです。
迷ったら、お使いのプレーヤーとアンプの取扱説明書を確かめてください。
必要なもの(1〜3製品)
紹介する製品の実売はおおむね 9,000〜25,000円 です(2026年10月時点・主要EC)。
MM 型・VM 型のプレーヤーなら オーディオテクニカ AT-PEQ3
- どの条件で選ぶか:カートリッジが MM 型か VM 型で、フォノ出力のあるプレーヤーを使っているとき。
- 選ぶ理由:利得 35dB・入力インピーダンス 47kΩの MM/VM 専用機です。AC アダプターと 1.0m のピンプラグケーブルが付属します。
- 購入前に確認したい点:MC カートリッジのプレーヤーと、LINE 出力のみのプレーヤーには使えません。電源は DC18V 1A で、日本国内専用です。
入門用のプレーヤーなら、けっこうこれでよい場面が多いと思います!
MC 型、または将来カートリッジを替えたいなら オーディオテクニカ AT-PEQ30
- どの条件で選ぶか:MC 型のカートリッジを使っている、または MM から MC に替える予定があるとき。
- 選ぶ理由:MM/MC 切替スイッチ付きで、利得は MM が 35dB、MC が 59dB です。VM 型は MM の位置で使います。
- 購入前に確認したい点:付属品は AC アダプターで、スピーカーにつなぐオーディオケーブルは別売です。本体は約890gで、AT-PEQ3 より大きめです。
MC 型を使っているなら、実質こちらの一択になりますね。
2製品の違い(メーカー公式の仕様)
- 対応カートリッジ:AT-PEQ3 は VM/MM のみ。AT-PEQ30 は VM/MM/MC に対応します。
- 利得:AT-PEQ3 は 35dB。AT-PEQ30 は MM が 35dB、MC が 59dB です。
- 入力インピーダンス:AT-PEQ3 は 47kΩ。AT-PEQ30 は MM が 47kΩ、MC が 120Ω です。
- オーディオケーブル:AT-PEQ3 は 1.0m のピンプラグケーブルが付属します。AT-PEQ30 は付属品が AC アダプターのみです。
- サイズ:AT-PEQ3 は約70×92×30mm(突起部除く)、AT-PEQ30 は約197.5×125.5×47mm(同)です。
ここは要注意|うまくいかないとき
- MC 型に AT-PEQ3 を使う:公式が使えないと案内しています。MC 型には AT-PEQ30 を選びます。
- PHONO 端子につなぐ:出力は AUX・LINE IN につなぎます。両製品の取扱説明書が PHONO 端子への接続を禁じています。
- ハム音(ブーン)が出る:プレーヤーにアース線があれば、フォノイコライザーの GND 端子につなぎます。
- 針の傷みや反ったレコード:音が出ない、針が飛ぶときは、針とレコードの状態も確認します。
- 別の選択肢:フォノイコライザー内蔵のプレーヤーに買い替える方法もあります。今のプレーヤーを鳴らしたいなら、この記事の方法が手軽です。
スピーカーまわりをさらに整えたいなら、こちらも参考にしてください。

よくある疑問
音が小さいだけで、フォノイコライザーは本当に必要?
AUX 入力しかない機器につなぐなら、基本的に必要です。
ただし、プレーヤーに内蔵イコライザーがあって LINE に切り替えられるなら、買い足しは要りません。
AT-PEQ3 の電源の表記が資料で違うと聞いたけど?
製品ページと取扱説明書のテクニカルデータは、どちらも DC18V 1A(付属の AC アダプター使用)です。
この記事は、確認できたこの値だけを書いています。
テレビの音も同じ機器で鳴らせる?
テレビ側の出力がデジタル(光)なら、別の変換器が要ります。

まとめ
レコードの音が小さい原因は、フォノイコライザーを通していないことです。
- まず確認:プレーヤーの PHONO/LINE スイッチを、AUX につなぐなら LINE にします。
- MM/VM 型で内蔵が無い:オーディオテクニカ AT-PEQ3。
- MC 型、または替える予定がある:オーディオテクニカ AT-PEQ30。
小さな音で諦めていたレコードが、ちゃんと鳴るようになるとうれしいですよね!


コメント